新コロナウィルス禍 自粛ストレスに反転攻勢!

2020/04/15 ブログ
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非常事態宣言でストレス!?

新コロナウィルスの感染拡大が続く中、非常事態宣言が出されて1週間、3密(密閉・密集・密接)を避けるために、対象の6府県の事業者に対する営業自粛要請が出そろった。先行して要請していた東京都を合わせ、宣言対象7地域全てで自粛要請が強化された形になっています。

われわれ一般市民については、不要不急の外出自粛が続いています。ニュースでは、家族が自宅にこもるストレスによる家庭内暴力や児童虐待が問題になり始めています。

 

ストレスを力に変える?

今回は、1冊の本を紹介します。

「スタンフォードのストレスを力に変える教科書」(大和書房 ケリー・マクゴニカル・著、神崎朗子・訳)、私が読んだのはKindle版ですが、「考え方を変えれば、人生が変わる」、さらに、「『ストレスは健康に悪い』と思うと死亡リスクが高まる」と始まります。

「ストレスには百害あって一利なし」というのがストレスに対する評価の相場で、ストレスは避けるべきものとされています。

ところが、第1章のタイトルは「すべては思い込みー「ストレスは役立つ」と思うと現実もそうなる」。

心理学者のいろいろな実証研究例をあげながら論は進みますが、ストレスを感じたときの体の働きについて解説します。

 

ストレスに関係するホルモンの働きは?

ストレスを感じると、コルチゾールとデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)というホルモンが副腎から分泌されるそうです。コルチゾールは糖や脂肪の代謝をたすけて、脳や体がエネルギーを使いやすい状態にし、DHEAは脳の成長を助ける神経ステロイドの一つだそうです。コルチゾールがストレスに対抗する準備をし、DHEAはストレスの経験と通じて脳の成長を助ける働きをするのだそうです。DHEAはコルチゾールの作用を抑制して、傷の治癒を早め、免疫機能を高める働きもあます。この様に、両者はストレスに対応する上で重要な働きをしているのですが、特に、コルチゾールに対するDHEAの割合は、ストレス反応の「成長指数」と呼ばれ、成長指数が高い(=DHEAの割合)が高いと、ストレスに負けずに頑張れるのです。

著者は、心理学者のストレス実験を紹介しています。

「ストレスには良い効果がある」という説明ビデオを見た人では、DHEAの分泌量が多く、「成長指数」が高くなっていたのです。「ストレスは役に立つと考えたことによって、体の生理状態が変化したのです。」と、著者は述べます。

マインドセットを変える

私たち自身の現実に対する対し方を「マインドセット」といいますが、体の反応にも影響を及ぼすといわれます。もちろん、考え方や行動にも。

皆さんは、どうでもよいと思っていることにはストレスは感じませんよね。「ストレスは、自分にとって大切なものが脅かされたときに生ずる」と述べています。

著者は、ストレスに対するマインドセットを変えることで、怖いストレスを味方にしよういうのです。

第1章では、ストレスを感じてもなるべくポジティブな考え方をするための3つのステップを紹介しています。

  • ストレスを感じたら、まずそれを認識する。ストレスを受け止め、体の反応に注目する。
  • ストレス反応は、自分にとって大切なものが脅かされているためだと認識し、ストレスを受け入れる。脅かされているものは何で、なぜそれが大切なのか考える。
  • ストレスを感じたときに生じる力を利用することを考える。自分の目標や価値観(大切なもの)にエネルギーを使うにはどうすればよいのかを考える。

 

新型コロナウィルスが問うものは

阪神淡路、東日本、熊本の大震災、度重なる台風・豪雨被害私たちは多くの災害に見舞われてきました。そして、それを乗り越えてきたのです。これまで自然の物理的力にさらされ、それを乗り越えてきました。

新型コロナウィルスは、私たちの生活や社会システムのありよう、文化のありようを問うているように見えます。

それはまさに、私たちの心の構えが問われているのです。

 

追伸

今回、「である調」ではなく「ですます調」にしてみました。やはり、柔らかさがあったほうが良いでしょうか。いつも悩んでいます、実は・・・。